社会福祉・労働問題

生活保護問題

1.はじめに
債務整理を進めていく中で、近年の不況に伴って仕事を失い、あるいは、仕事はあっても賃金カットなどにより収入が大幅に減って財産もなく、負債がなかったとしても最低限の生活さえ成り立たないのではないかという状況が見られます。
そのような場合には、一定の基準のもと、生活保護を受けることができます。
2.生活保護の現状
本来、生活保護は、一定の基準を満たせば支給を受けられるのですが、市町村の財政の困窮から、申請に行っても「相談」として扱われて申請書をもらえず、申請できないという、いわゆる「水際作戦」がとられて社会問題となりました。しかし、市町村には申請を拒否できる法的根拠はなく、申請があれば必ず受け取らなければなりません。申請書を受け取った後で、生活保護の要件を満たすかどうかの審査が行われるのです。
3.生活保護において司法書士にできること
そもそも、生活保護を受けることができるのかどうかといった相談を受けたり、申請に行ったのに申請書をもらえない、あるいは、申請しようとしたのに申請書を受け取らないなどの場合には、総合的な法律支援の一環として、司法書士も申請に同行することができます。お気軽にご相談ください。
4.生活保護の受給要件
  1. 仕事をしていたら生活保護は受けられないのか
    仕事をしていても、生活保護の基準から導き出される「最低生活費」に満たなければ、生活保護を受けることができます。また、生活保護受給中に仕事が見つかった場合でも、「最低生活費」に満たなければ支給が停止されることはありません。
  2. 自動車を持っているが生活保護は受けられないのか
    現在のところ、原則として、生活保護受給中は自動車は持っているだけでなく、他人所有の自動車を借りて乗ることもできません。ただし、極端に交通の便が悪い、あるいは仕事に使っているなどの理由がある場合には、極めて例外的に認められることもあります。
  3. 借金があるが生活保護は受けられるのか
    借金があったとしても、それ自体は生活保護の受給には関係ありません。しかし、生活保護は、最低限の生活をするための費用という趣旨から、生活保護費から借金の返済をすることはできません。従って、破産手続等をとるように勧められます。

解雇・賃金問題

はじめに

近年、派遣切りなど、次に挙げるような労働者個人と使用者との紛争が社会問題になってきています。これらの問題について、私たち司法書士は、皆様の代わりになって、あるいは力添えをして解決へとお導きいたします。

具体的な問題について
(1)派遣切り
派遣労働者のほとんどは登録型派遣といって、派遣会社に登録しておき、仕事があるときだけ派遣されるという形の労働形態です。この場合、派遣期間が終了してしまうと、その時点で雇用関係が終了してしまいます。期間満了に伴う雇用関係の終了自体は、現行法上争うことは困難です。したがって、派遣期間中の賃金不払い等があれば、それを請求していくという形をとることになります。
(2)未払い賃金の請求
未払い賃金については、当然請求することができます。また、会社の倒産によって未払い賃料が発生している場合には、一定の要件の下で未払い賃金の一部または全部を立て替える制度もあります。
なお、未払い賃金は2年間請求しないでいると時効により消滅してしまうおそれがあります。
(3)サービス残業
使用者は、原則として労働者に1週間について40時間、かつ、1日について8時間を超える労働をさせることはできません。これを超えた場合、超過労働時間について一定の割増賃金を支払わなければなりません。
なお、1日の労働時間が残業時間を合わせて8時間以内であった場合にも、当然労働時間相応の賃金を支払う義務があります。
なお、残業代の請求に当たっては、残業時間の立証は労働者側がしなければなりません。タイムカード等があればいいのですが、タイムカードがなくても、手帳の記録や業務日誌等で労働時間を立証していくことができます。
(4)整理解雇
会社の業績不振を理由に解雇する場合には、次の4つの要件を満たさなくてはなりません。それは、①人員削減の必要性があること、②解雇を回避するための努力が尽くされていること、③解雇される者の選定基準や選定が合理的であること、④事前に説明・協議が尽くされて手続が妥当であることです。これらを満たさなければ、解雇権の濫用と判断されることがあります。
なお、どうしても会社を辞めたくない場合は、とりあえず労働者としての地位を確保して賃金の支払いを受けるために、労働者としての地位確認の保全手続をとるこも有効な手段となります。
(5)配置転換
セクハラ・パワハラなどに伴う不当な配置転換は、それらの措置に相当性がない場合には、公序良俗に反して無効になると考えられます。そこで、会社に対して配置転換の無効などの確認を求めてゆくことになります。さらに、直接の加害者に対しては、慰謝料などの不法行為に基づく損害賠償責任を求めることができます。
労使紛争についての解決手続

これらの紛争について当事者間で話し合いがつかない場合の解決手段として以下の手続があります。それぞれの立場に合った手続きを選択されるといいと思います。

(1)労働局への相談
労働局で相談し、労働協約などの情報提供をしてもらったり、今後どうすればいいかといったアドバイスを受ける手続です。
(2)労働局長からの助言・指導
労働局長が労使間の問題点を指摘し、解決の方向を示して当事者間で自主的に紛争解決することを促す手続です。なお、この助言や指導には、法的な拘束力はありません。
(3)労働局の紛争調整委員会によるあっせん
当事者間に学識経験者などの第三者が介入し、問題の争点を整理し、当事者に具体的なあっせん案を提示し、当事者間の話し合いを促して紛争の円満な解決を図るものです。ここでのあっせん案に同意した場合には、民法上の和解契約と同じ効力が生じます。

熊本労働局については http://www.kplb.go.jp/ を参照してください。
(4)労働基準監督署への申告
会社が労働基準を守っていない場合には、労働基準監督署に労働基準法違反を申告します。すると、労働基準監督署は、会社に対して立ち入り検査や書類の提出を求めたり、使用者から事情を聴いたりして、労働基準法違反の事実があれば是正するように勧告を出します。勧告を無視すると、刑事責任を問われることもあります。
(5)ADR(裁判外紛争解決手続き)(司法書士会話し合いセンター)
司法書士会においては、請求額が140万円までの請求について、司法書士が中立な立場で調停人となり当事者の言い分を聞き、当事者がどのような解決を望んでいるのかを探って、必ずしも法律にとらわれず、柔軟に当事者の納得いく形での解決案を導き出すお手伝いをするというADR手続きがあります。「裁判」ではないので、これから先もその職場で仕事を続けていきたいという場合に向いている手続といえます。
詳細は熊本県司法書士会HPをご参照ください。
(6)民事調停
これは、簡易裁判所において両当事者の意見を調停委員が聞き、調停案が調えば調停調書が作られます。この調停調書には、判決と同じ効力が生じます。請求金額が140万円以下であれば代理人として、140万円を超える場合には書類作成として司法書士がお手伝いできます。
(7)労働審判
これは、おおむね2~3回の期日で終結する地方裁判所の裁判手続で、初回に両当事者からそれぞれの主張を聞き、2回目の期日で当事者が合意すれば調停をし、合意に至らなければ審判を下すという手続です。審判に対して当事者が異議を述べなければ審判が確定し、判決と同じ効力が生じます。通常の裁判に比べて短期間での解決を図れる手続です。書類作成として司法書士がお手伝いできます。

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