
1.少年事件の変遷
戦後の少年犯罪には大きく分けて3つの波があったと言われています。 第1の波は戦後の混乱期の貧困がもたらす「生活型の犯罪」であり、 第2の波は高度経済成長によって揺るぎないものになりつつあった社会制度に対する「反抗型の犯罪」、 第3の波はモノの豊かさを背景にゲーム感覚の延長として手を染める「遊び型の犯罪」です。そして、第4の波と言われている最近の重大少年犯罪は、犯行の動機が不可解であり、 突発的であり従来の動機の分類では説明が付かないといった不透明さが特徴であると言われています。 このように少年犯罪は社会現象を写しだす鏡のようにも思われます。
2.少年審判における付添人の役割
少年審判の流れは下記の図のとおりです。
少年審判を受けるにあたって、対象となる少年は付添人を選任することができます。
一般的には弁護士が付添人になることが多いですが、裁判所の許可を受ければ、
弁護士以外の家族やボランティアの人でも付添人になることができます。付添人の主な役割としては、家庭裁判所の福祉的機能が十分発揮されるようその調査・審判に協力する役割や少年審判が適正に行われるよう少年をサポートするパートナーシップ的役割があると言われています。
付添人の具体的な仕事としては以下のようなことがあります。
@社会との断絶の回避
身柄拘束時には鑑別所において社会と断絶されるので、社会との調整役が 必要となる。例えば、家族や学校、職場、友人などと面会を重ね要保護性の 解消に努めます。A福祉的機能(ケースワーク的機能)
社会とのつながりを一貫して保てるようケースワーク的に活動・援助する。例: ア 少年と学校・職場との環境調整
イ 被害者や地域住民との関係調整
ウ 保護者との関係調整
エ 身体拘束時におけるメンタルケア
オ 補導委託先や職親・保護者の確保
B少年審判での立会い・意見書の提出
少年審判にあたり、犯罪や非行を犯した少年にとって、どのような処遇(不処分・在宅保護観察・試験観察・施設送致等)がふさわしいかの意見書を裁判所に提出し、 審判当日は少年が主体的に審判に参加できるようサポートします。3.少年事件と少年友の会の役割
全国の都道府県に設立されている「少年友の会」では、非行によりつまずいた少年少女の立ち直りと健全育成及び明るく健康的な家庭づくりを目指して、 以下のようなボランティア活動を行っています。メンバーとしては、学校の先生OBや企業の社長さん、主婦、大学教授、福祉関係者、弁護士、司法書士、調停委員、学生ボランティアなど様々な方が登録されています。
4.少年友の会の活動
少年友の会では非行を犯した少年少女の健全育成のために以下のような活動をしています。@付添人活動
非行を犯してしまった少年少女で、保護者がいない場合や保護者が保護的機能を果たしていない場合などに、 付添人として審判に出席して、保護者的立場で少年少女の権利保護と健全育成に関する活動を行っています。弁護士付添人と協同して役割分担しながら少年少女をサポートしていく場合もあります。
A補導委託先の援助活動
非行を犯した少年少女が一定期間、裁判所の指導の基に一般の事業所に住み込みで働きながら更生を図る制度を補導委託といいます。 少年友の会では、この「補導委託先」の開拓をしたり、委託された少年少女に身の回りの日用品を送ったり、帰郷するときの費用の立替えを行ったりしています。B社会奉仕活動
正しい社会観念と他人への優しさを培うために、少年少女たちと伴に社会福祉施設を訪問したり清掃活動を行ったりしています。C就職等援助活動
就職等を望む少年少女に、必要な就職情報を提供したり、相談にのったり、同行するなどの援助活動を行っています。D学生ボランティア活動
学生ボランティアにより、少年少女に対する学習援助活動や友達活動を行ったり、健全育生活動を行ったりしています。5.司法書士と少年事件
司法書士法人リーガルシップでは、司法書士松下勝司が熊本少年友の会に所属し、付添人活動や研修活動に参加し、 非行少年の健全育生を目指して活動しております。また、日本司法書士連合会(日司連)が運営する司法書士総合研究所では、 刑事・少年法研究部会に所属し、研究したテーマを発表しています。日司連が毎月発行する月報司法書士2007年8月号に 「少年司法への市民参加の必要性」〜付添人の体験から〜というテーマで投稿しています。今後は、不登校問題や「いじめ」問題、小中学生への法教育などについて活動していきたいと考えています。