会社登記・企業法務

株式会社への組織変更の手順

会社法の改正により、持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)から株式会社へ組織変更ができるようになりました。なお、有限会社については商号変更手続きにより簡単に株式会社への変更ができます。
以下、株式会社への組織変更手続きについて説明いたします。

1. 会社の決定事項
会社の商号(会社名)
変更はありませんか
会社の事業目的
現在の目的に追加するものはありませんか。具体的に
※詳細はご相談に応じます
本店所在地
変更はありませんか。正確な住居表示を確認してください。登記簿にそのまま記載されますのでご注意ください
資本金
設立に際して出資される財産の最低額。税理士と相談の上、お決め下さい
役員
  • 株式譲渡制限のある会社は取締役1名以上、監査役は任意設置です。取締役が2名以上の場合は代表取締役を定めることもできます
  • 株式譲渡制限のない会社は取締役3名以上、監査役1名以上が必要で、取締役会も必要です
  • 監査役の代わりに、会計参与・会計監査人など別の機関を置くことができます
※その他、会社の機関についてはおたずねください
決算期
変更はありませんか
2. 類似商号の調査
類似商号の制限
類似商号による制限は廃止されました
類似商号であっても形式上、登記は可能となりました。ですが、類似商号と思しき会社から損害賠償請求を受ける可能性がありますので、電話帳やインターネット等で確認することをお勧めします
3. 法人届出印の発注
法人届出印について
商号に問題なければ、登記所に届ける会社の実印を注文してください。印鑑業者(販売店)によっては1週間程度かかる場合もあります
4. 定款作成
定款の作成
司法書士が定款、議事録、委任状などの必要書類を作成し、その内容を確認いただいて署名押印していただきます 。

必要書類
  • 取締役の印鑑証明 - 1通
  • 代表取締役の印鑑証明 - 2通(1通は銀行提出用)
5. 官報公告及び債権者への催告
官報への公告
組織変更することを官報に公告し、知れたる債権者に催告をします。必要な書類は司法書士が作成します。この際、債権者には1ヶ月を下らない期間内に異議を述べることができます。
6. 設立登記
設立登記申請
前述の公告・催告の1ヶ月後、司法書士が組織変更による株式会社の設立ならびに持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)の解散の登記申請を代理して行います。(4日~10日程度で登記が完了します)
7. 会社の銀行口座開設
銀行口座の開設
設立登記完了により会社の登記簿謄本と印鑑証明書が取得できますので、それを銀行に提出してください
8. 関係行政機関への届出
行政機関への届け出
関係行政機関へ届け出を行ってください。
届け出先は税務署/市町村役場/都道府県事務所/社会保険事務所/労働基準監督署/公共職業安定所など。
※添付書類は各官庁により異なりますので、各官庁に確認してください。

株式会社発起設立の手順

1. 会社の決定事項

発起設立の前に下記について決定しておいてください

会社の商号(会社名)
候補を数種類考えてください
会社の事業目的
どういう業務を行うか具体的に決めて下さい
※詳細はご相談に応じます
本店所在地
正確な住居表示を確認してください。登記簿にそのまま記載されます
資本金
設立に際して出資される財産の最低額。出資金の合計です
出資者(発起人)
1名以上、誰がいくら出資するか決めてくだい
役員
  • 株式譲渡制限のある会社は取締役1名以上、監査役は任意設置です。取締役が2名以上の場合は代表取締役を定めることもできます
  • 株式譲渡制限のない会社は取締役3名以上、監査役1名以上が必要です。また、取締役会も必要となります
※その他、会社の機関についてはおたずねください
決算期
特に指定日はありません。任意にお決めください
払込取扱金融機関
資本金を払い込む(振込む)金融機関です。振込口座もご指定ください
2. 類似商号の調査
類似商号の制限
類似商号の制限はなくなりました。
類似商号とは、同一所在地において同一の商号の会社がある場合をいいます。旧商業登記法では、類似商号に該当する場合には登記ができませんでしたが、現行 法では禁止はされていません。しかし、類似商号に該当する場合には、他の会社から損害賠償請求を受ける可能性がありますので、類似商号に該当しないかどう か、電話帳やインターネット等で確認することをお勧めします。
3. 法人届出印の発注
法人届出印について
類似商号に問題なければ、登記所に届ける会社の実印を注文してください。印章業者(販売店)によっては1週間程度かかる場合もあります
4. 定款作成
定款の作成
司法書士が定款、議事録、委任状などの必要書類を作成し、その内容を確認いただいて署名押印していただきます 。

必要書類
  • 出資者の印鑑証明 - 1通
  • 取締役の印鑑証明 - 1通
  • 代表取締役の印鑑証明 - 2通(1通は銀行提出用)
    ※出資者と取締役が同一人の場合でもそれぞれ必要です
5. 定款認証
公証人役場にて定款の認証
  • 定款認証
    認証は書面定款認証と電子定款認証の選択ができます。電子定款認証手続によれば、印紙代4万円が不要となります。ただし、電子定款認証の場合、一度認証をした後で訂正等をする場合にはかえって費用がかかりますので、事前に十分にチェックをしてください
  • 手続
    定款認証用の委任状(定款を添付したもの)を用意します。出資者(発起人)に実印を押印していただきます
  • 必要書類
    出資者の印鑑証明 - 1通(認証の委任状に必要)
6. 出資金払込
出資金の払い込み
払込取扱銀行の指定口座に出資金の払込み(振込み)を行ってください。この振込は出資者ごとに行ってください ※銀行の保管金証明は不要。口座の預金通帳のコピーで足ります
7. 設立登記
設立登記申請
司法書士が設立登記申請を代理して行います。(4日~10日程度で登記が完了します)
8. 会社の銀行口座開設
銀行口座の開設
設立登記完了により会社の登記簿謄本と印鑑証明書が取得できますので、それを銀行に提出してください。なお、この時点で会社の口座を開設することができますので、口座に出資金を振り替えることができます
9. 関係行政機関への届出
行政機関への届け出
関係行政機関へ届け出を行ってください。
届け出先は税務署/市町村役場/都道府県事務所/社会保険事務所/労働基準監督署/公共職業安定所など。
※添付書類は各官庁により異なりますので、各官庁に確認してください。

事業承継対策

1.事業承継対策が必要な理由は?

中小企業ではオーナー経営者の死亡や衰弱とともに、何も対策を講じていなかったばかりに、事業そのものの継続が困難になる事態が発生するケースが少なくありません。特に、オーナーの死亡により株式が相続人に分散することによって、承継させたい相続人に経営権が移譲されずに、会社が分裂状態に陥ってしまうケースもあります。

事業承継対策は、将来に渡り末長く会社が成長・発展し、引いては家族や従業員が円満に幸せに暮らしていくために、是非とも必要です。

2.事業承継の方法にはどのようなものがありますか?

事業承継の方法としてはおおむね以下の三つの方法があります。

    事業継承の方法    
*
① 親族への承継   ② 従業員等への承継   ③ M&A(合併・譲渡等)
*
【人の問題】
  1. 後継者の選定
  2. 後継者の教育
  3. 事業の引継ぎ

【モノの問題】
  1. 株式等の資産を後継者に集中(贈与)
  2. 後継者以外の相続人への配慮(遺言)(種類株式)
  3. 相続税対策・納税資金対策(自己株式取得・相続時生産課税制度等)
  【人の問題】
  1. 後継者の選定
  2. 後継者の教育
  3. 事業の引継ぎ

【モノの問題】
  1. 従業員への株式譲渡
  2. 財産権と経営権の分離(種類株式)
  3. 担保、保障の差し替え(日本政策金融公庫の制度融資の活用)
  【会社の全部譲渡】
  1. 合併・営業譲渡
  2. 株式の売却・交換


【会社の一部譲渡】
  1. 会社分割
  2. 事業の一部譲渡
  3. 許認可の引継ぎ
3.司法書士は事業承継について、どのような役割を担えますか?
①親族への承継の場合
司法書士は会社法の専門家ですので様々な種類株式の発行手続きにより支援できます。例えば、後継者以外の相続人にも配慮しながら、後継者へ議決権を集中させ会社の経営権を後継者に確保させるために、事業に関係のない後継者以外の相続人には議決権のない株式を発行したり、逆に後継者の議決権を他の株式の10倍に設定する(VIP株)等の方法により支援できます。
また、司法書士は相続手続きの専門家ですので、贈与登記や遺言、成年後見制度を活用した事業承継のアドバイスもできます。
②従業員への承継の場合
従業員への承継の場合にも、種類株式の発行が有効です。例えば、事業を承継した従業員には議決権のある株式を譲渡し、経営に参加しない親族には議決権のない、配当のみ受け取れる株式を発行したりできます。また、司法書士は登記手続きの専門家ですので、会社の役員変更や株式発行手続き等で支援することができます。
③M&A(合併・会社分割・営業譲渡等)
この場合も、司法書士は会社法の専門家として、合併や会社分割、営業譲渡に伴う登記手続きや各種契約書の作成を通して事業承継を支援できます。
なお、司法書士法人リーガルシップでは、公認会計士や税理士と連携しながら、節税対策も考慮した事業承継対策を心がけています。
④関係当事者による円滑な承継の推進役として
司法書士は当事者支援型の法律家として、これまで中小企業のオーナーやその家族・従業員、金融機関などから様々な相談を受けてきた実績があります。また、近年はADR(裁判外紛争解決手続)にも力を入れており、当事者同士の対話を重視した調整技術の訓練も行っています。事業承継においても関係する家族や従業員あるいは譲渡先とのコミュニケーションを重視し、円満な承継の推進役として活用できるのではないかと思われます。
4.事業承継に関する国の政策はどのようなものがありますか?

平成20年10月1日中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律が施行されました。主な内容は以下のとおりです。

①事業承継税制の抜本拡充
相続した株式のうち、発行済株式総数の3分の2に達するまでの評価額の80%について納税猶予。さらに、一定の場合に猶予納税額を免除。
②生前贈与株式等に関する民法の特例
  1. 生前贈与株式について、遺留分権利者との合意により先代経営者から後継者へ生前贈与された自社株式その他一定の財産について、遺留分算定の基礎財産から除外
  2. 生前贈与株式の価額を贈与合意時の評価額で固定。その後の株式価値上昇分は遺留分の対象外となるので、経営意欲の増進が期待できる。
③相続により分散した株式の買取り資金や相続税納税資金等について、経済産業大臣の認定を条件に、日本政策金融公庫による低金利融資の実施
詳細は、中小企業庁をご覧ください。

NPO法人・社団法人移行及び設立

1. NPO法人などの非営利法人の種類

非営利法人の種類としては、一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人、NPO法人(特定非営利活動法人)があります。

(1)一般社団法人・一般財団法人とは
一般社団法人とは非営利を目的とし、一般社団・財団法人法に基づいて設立され、あるいは整備法に基づいて移行した法人です。一般財団法人とは非営利目的のために運用することを前提に拠出された財産であり、一般社団法人同様に設立あるいは移行された法人です。
(2)公益社団法人・公益財団法人とは
公益社団法人・公益財団法人は一般社団法人・一般財団法人を設立し、その設立後公益認定を受けることによって、なることができる法人です(平成20年12月1日までに設立された法人については直接公益法人の認定を受けることができる)。公益社団法人・公益財団法人は税制における優遇措置があります。
また、制度上寄付を受けやすく、社会的信頼が高い社団といえます。しかし、逆にその運営において行政庁の監督を受けなければならず、毎年公益認定の基準を守らなければなりません。そのため、事業の内容などが制限されることも考えられます。税制などのメリットも大きい制度ですが、制限や負担が大きいことが特徴です。上記のメリットとデメリットを比較し選択する必要があります。
   
  【公益社団法人・公益財団法人のメリット・デメリット比較】  
 
 

【メリット】

  1. 税制優遇
  2. 寄付を受けやすい
  3. 社会的信用を得やすい
 

【デメリット】

  1. 行政庁の監督
  2. 公益性の遵守
 
(3)NPO法人と一般社団、一般財団、公益法人等の違い
自由度が大きく異なります。
【NPO法人の特徴】
  • 活動内容がある程度制限されます。(特定非営利活動促進法で規定する17分野)
  • 不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与することが求められる。
  • 社員の資格を制限することができない。
  • 所轄庁に事業報告を行うことで情報公開が義務付けられている。
【一般社団・一般財団法人の特徴】
  • 活動内容に制限がない。
  • 社員の利益の増進に寄与する目的でもいい。
  • 社員の資格を制限することもできる。
  • 情報公開の制度がない。
  • NPO法人のような法人税の優遇措置がない。
(4)一般社団設立の流れ

  1.事業目的・名称・本店所在地など基本事項の決定  
  *  
  2.法務局での名称調査  
  *  
  3.定款の作成・法人印の手配  
  *  
  4.公証役場での定款認証  
  *  
  5.設立書類の作成・設立時理事等の調査  
  *  
  6.法務局での設立登記  
  *  
  7.税務署への法人設立届出など  
2. これまでの社団法人・財団法人はどうなるか(民法特例法人について)
(1)移行の期限
平成20年12月1日までに設立されたこれまでの社団法人・財団法人はすべて民法特例法人となります。民法特例法人になったことにより、直ちに定款や登記の変更をする必要はありません。しかし、平成25年11月30日までに公益法人、移行申請をしなかった場合は解散したことになります。
また、それは移行期間終了までに移行申請をしても、結果移行期間終了後に認定または認可が得られなかった場合も同様に解散ということになります。そのため、移行申請に通常数か月の期間が必要になるといわれていますので、なるべく早めに認定や認可の申請をしておく必要があります。期間内であれば何度も再申請することは可能です。

【従来の社団法人・財団法人の移行イメージ図】

従来の公益法人(社団法人・財団法人)
*
特例民法法人
*
公益社団・財団法人への移行申請   一般社団・財団法人への移行申請   申請しない・移行申請不認可で平成25年11月30日経過
*

認可

 

解散

*

公益社団・財団法人

 

一般社団・財団法人

   
(2)一般社団法人の認可基準は以下のとおりです。
  1. 定款の内容が法人法に適合するものであること
  2. 法人の移行時の純資産額を基礎に計算した公益目的財産額がある法人は、作成した公益目的支出計画が適正であり、確実に実施することが見込まれること。 以上の要件を満たすことが必要です。認可には数か月の時間を要するとされています。
公益目的支出計画とは
公益目的支出計画とは、公益目的財産額に相当する金額を公益目的のために消費していく計画のことをいいます。一般社団法人・一般財団法人への移行後は、公益目的支出計画に従い、実施事業などを行うことになります。
(3)認定の流れ及び必要書類

【認定の流れ】


  1.方針決定  
  *  
  2.具体案の決定  
  *  
  3.申請書類の確認  
  *  
  4.移行認定申請  
  *  
  5.認可後の手続き(登記及び届出)  
  *  
  6.公益目的支出計画の実施  

といった流れになります。

認定申請のための必要書類
  1. 申請書
  2. 定款
  3. 事業計画書及び収支予算書
  4. 事業計画書及び収支予算書に記載された予算の基礎となる事実を明らかにする書類
  5. 事業を行うにあたり法令上の行政機関の許認可などを必要とする場合においては、当該許認可などがあったことまたはこれを受けることができることを証する書面
  6. 公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎を有することを明らかにする財産目録、貸借対照表及びその付属明細書
  7. その他公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎を有することを明らかにする書類
  8. 役員などの報酬などの支給の基準を記載した書類
  9. 公益認定を申請する法人の登記事項証明書
  10. 理事などの指名、生年月日及び住所を記載した書類
  11. 一般法人法5条各号に掲げる基準に適合することを説明した書類
  12. 理事などが欠格事由に該当しないことを説明した書類
  13. 公益認定を申請する法人が欠格事由に該当しないことを説明した書類
  14. 滞納処分に係る国税及び地方税の納税証明書
  15. その他行政庁が必要と認める書類

詳細はこちらをご覧ください。公益法人information

(4) 公益社団法人への移行の認定基準は以下のとおりです。
  1. 定款の内容が法人法及び認定法に適合すること
  2. 収支相償であること見込まれること
  3. 公益目的事業比率が、費用で計って100分の50以上であると見込まれること
  4. 遊休財産額が制限を超えないと見込まれること

以上の要件を満たすことが必要です。認定には数か月の時間を要するとされています。

① 定款の内容が法人法及び認定法に適合することについて
【公益社団法人の理事の構成】
公益社団法人・公益財団法人において理事の構成は制限されます。
  1. 各理事について、当該理事及びその配偶者または3親等内の親族やその他特別の関係があるものである理事の合計数が、理事の総数の3分の1を超えるものであってはならない
  2. ほかの同一の団体(公益社団法人及び公益社団法人などを除く)の理事または使用人であるものその他これに準ずる相互に密接な関係にある者である理事の合計数は、理事の総数の3分の1を超えるものであってはならない。
    また、公益社団法人・公益財団法人は原則会計監査人が必須の機関となります。
    認定移行後の監督
    上記 の移行認定基準については移行認定後も引き続き遵守されているか行政庁により監督が行われます。
【定款について】
以下の事項について、上記により変更が必要になる場合があるので、注意が必要です。
  1. 目的
  2. 名称
  3. 主たる事務所の所在地
  4. 設立時の社員氏名、名称及び住所
  5. 社員の資格の得喪に関する規定
  6. 事業年度
  7. 大規模一般社団法人は会計監査人の規定
  8. 公益認定を受ける特例社団法人は理事会の規定
  9. その他
等の規定を法人によっては変更する必要がある。
②収支相償とは
公益社団法人・公益財団法人は、公益目的事業にかかる収入の額が、その事業に必要な適正な費用を償う額を超えてはいけないことをいいます。
この収支相償については二段階の判定となります。
第一段階
各公益目的事業ごとに費用と収入を比較。
第二段階
第一段階で計算した収支に加え、その他の、公益に係る費用と収支を合計し、公益全体の収支を比較。
③公益目的事業財産とは
公益目的事業財産とは公益社団法人・公益財団法人の財産のうち、公益目的のために消費されるべき財産をいいます。たとえば、公益目的事業のために受けた寄付金や収益事業から得られた収益の半分以上などがあたります。従来の法人が認定を受け移行した場合、公益事業のために使用する財産も公益目的事業財産になります。

仮に公益認定取り消しがなされた場合、公益目的事業財産の残額をほかの公益目的団体等に贈与することになります。公益のために集めた財産を最後まで公益的に消費するためです。
(5)認定・認可後の登記について
「名称変更」を登記の事由とする登記を認定・認可後主たる事務所においては二週間以内、従たる事務所においては三週間以内にしなければなりません。印紙などは必要ありません。必要な添付書類としては公益認定を受けたことを証する書面が必要です。
(6) 社団法人・財団法人の移行に関してリーガルシップでは何ができるか
当事務所では従来の社団法人・財団法人からの移行に関して、移行のコンサルティングや登記を行いながら移行のためのサポートをしております。
ぜひ、従来の社団法人・財団法人からの移行を考えている方はご相談ください。

費用につきましては事前に見積りいたします。

売掛金・未収金など債権回収

売掛金・未収金・債権回収までの流れ
  取引の始まり・契約締結
  1. 相手方当事者の特定
  2. 回収のための財産調査(取引中も随時)
  3. 契約書の作成
  4. 契約書・納品書等証拠書類の保管
 
    *    
  代金の未払い  
  *      
  請求書の再発行 * 代金の一括支払いあり=解決  
  *      
  最終督促状(内容証明郵便)の送達(訴訟予告)      
  *      
  分割支払いの承認      
  *      
  念書の作成
(連帯保証人の設定・不動産への抵当権設定・公正証書の作成)
* 支払拒否=訴訟等裁判手続きにて対応  
  *      
  相手方が分割金の支払いを
怠った場合
     
  *      
  連帯保証人に
請求・抵当権実行・公正証書を
債務名義とする財産の差押え
     
1. 契約締結時の注意点
(1)当事者の特定
  • 個人事業者(屋号での営業主)
    ※小規模ということではなく、法人を持たない事業者のことを指します。
  • 法人事業者(有限会社、株式会社、合同・合名・合資会社)

売掛金の回収が困難になり、いざ強制執行をするという場合は、「どの相手方」の「どの財産」について執行をかけるかを特定しなければなりません。また、いざ執行をかける際には、相手方が個人事業者なのか法人事業者なのかを特定できていなければなりません。また、取引を始める際には、本人確認ができる資料(免許証等の写し)を取っておくことも重要です。
(2)複数回の未収金を無くす
たとえ、小口の未収金であっても、2回、3回と未収になっていくと、その額も高額になってしまいます。早い段階で回収に向けて動かなければ、相手方に破産等裁判上の倒産手続きをとられてしまうと、回収できるものもできなくなってしまいます。
早い段階で回収手続きを行うために、未収回が複数になったときには、それを把握・管理できるようなシステムが必要かと考えます。未収状態を把握した上で、この取引先はお得意先でもあるし失いたくはないという場合には、管理者の方の判断で商品の納入ができるような体制が望ましいと思います(ただし、念書を書いてもらう必要はあると思います)。
【注意点】
  • 契約書には、原則として実印(個人実印、法人届出印)で押印してもらい、印鑑証明書をいただく。※場合によっては、認め印も可。
  • 法人事業者の場合には、会社謄本(登記事項証明書)を提出してもらう。
    ※相手方が提出しない場合、商号及び本店所在場所が分かっていれば、法務局で誰でも取得することができます。
  • 身分証明書のコピーをもらう(その場でコピーできない場合には、デジカメにて撮影)。
    運転免許証、健康保険証、住基カード、パスポート※顔写真入りが望ましい。
2.取引先の営業状況のチェック

売掛金の未回収を防ぐためには、取引先の倒産の予兆を早期に発見し、回収不可能になる前に回収していくことが必要です。以下に、倒産予兆のチェックポイントを挙げます。

  • 赤字が続いている。
  • 会社の後継者がおらず、会社の存続が危うい。
  • 不自然な役員の交代があった。
  • 社員の数が極端に減少した。
  • 社員の活気がない。
  • 大口の取引先との取引を停止した。
  • 大口の取引先が倒産した。
  • 従前に比べ、取引が急激に減少した。
  • 取引先に対して売掛金支払日の延期を申し出ている。
  • 本社ビル等重要な不動産の売却を検討している。
3.念書を取る効果とは?
  1. 1 時効の中断(承認)
  2. 2 法人事業者の場合、代表者に個人保証をさせることにより代表者の財産にも執行可能となる。
(1)消滅時効
時効の進行をストップさせることを時効の中断といいます。時効を中断させるためには①請求、②差押え、仮差押え、仮処分、③承認、の三つの方法があります。

①の請求は、裁判上の請求(訴訟、支払督促、和解の呼出し、破産手続き参加)と裁判外の請求とに分かれます。一般的に行われる請求は、裁判外の請求に当たりますが、これは時効の請求を6ヶ月間遅らせる効果しかありませんので、注意が必要です。それも後で請求を受けた、受けないでもめることのないように、証拠で残すために配達証明付内容証明郵便による請求が欠かせません。

②の差押え、仮差押え、仮処分については、裁判所での手続きが必要になります。

③の承認は、債務者が債務承認書を書いてくれれば問題はありませんが、債務のうち、いくらかでも払ってもらえれば、これも債務の承認とみなされます。よって、時効完成前にいくらかでも払ってもらうよう交渉することが重要です。
例:取引先がお金が無くて払えないという場合、1,000円(場合によっては100円)でも返済金として受領しておく。
(2)代表者個人の保証
相手方が法人の場合、法人名義の財産にしか執行することはできません。原則として、会社の責任は代表者個人には及びません。会社がどんなに借金をして倒産したとしても、会社名義の財産を処分すればよく、代表者個人の財産を換価する必要はないのです。

ここで、念書によって代表者個人を連帯保証人としておくと、代表者にも債務の全てについて支払い義務が生じますので、会社の財産に加えて代表者個人の財産にも執行できることとなるのです。会社が倒産してお金が無いはずなのに、その代表者としては財産があり羽振りもいいというケースも見受けられます。特に、"悪知恵"のある方は、会社を隠れみのにして財産を持っていたり、自分個人としては責任を追及されないよう対策をとっているでしょう。

また、代表者の個人保証を取る際、印鑑証明書や運転免許証などの公的な証明書で代表者の住所を特定しておくことは、その後の執行手続きにおいても重要になります。

【念書を取るにあたっての注意点】
  • 現在の債務額の確認
  • 法人事業者の場合には、代表者が連帯保証する旨
  • 念書を書いてもらうタイミング
    念書をどの段階で書いてもらうかは売掛金金額や取引先との関係を考慮し、管理者と話し合った上で判断すべきでしょう。「1回払えなかった場合は必ず書いてもらう」というような画一的な運用では、逆に取引先との関係が壊れてしまう可能性もあります。
4.回収の手続き 
(1)配達証明付内容証明郵便
一般的に、裁判所が関与する手続へと移行する前にとる手段です(訴訟予告通知)。
郵便を出した日及びその内容を郵便局に証明をしてもらい、差出人と郵便局にも謄本が保管されます。内容証明郵便の書き方には一定の方式がありますので、注意してください。期間を区切って、「支払が無い場合には法的手段を取る」という文言を記載していますし、金額によっては司法書士が代理人として出すこともできますので、法的手段をとられることを嫌がり、この通知が来た時点で支払いに応じるケースも多いです。
(2)簡易に取得できる債務名義
債務名義とは、相手方が支払いをしない場合、相手方の財産から強制的に回収をするために必要なもので相手方に対してこういう請求権がありますといったことを証明する公的な文書になります。具体的な例としては、判決や和解調書、公正証書等が挙げられます。
以下に、債務名義を簡単に取得することができる手続きを紹介します。
①公正証書
裁判の手続きは、時間がかかってしまいます。そのため、相手方の協力が得られやすいのであれば、公証人役場(熊本市内であれば、九品寺交差点にあります。)にて、公証人立会いの下、契約書を作成しておくとよいでしょう。「支払いをしなければ、財産から回収しても構いません」といった趣旨の文言(強制執行認諾文言)を公正証書に入れておくことによって、支払いがない時に直ちに回収の手続きを行えます。
この場合、原則、当事者双方が公証人役場に行く必要がありますが、債務者が行くことができない場合は、委任状(実印)を債務者からもらっておくと、債権者が行くだけで作成が可能となります。
その他の必要書類は、①実印、②印鑑証明書、③本人確認書類、④会社であれば会社の登記事項証明書が必要となります。また、公証人役場に支払う手数料は、金額によって異なります。
②少額訴訟
60万円以下の請求をする場合に利用できます。原則、1回目の裁判で終わり、控訴することができません。ただし、1年間に利用できる回数(10回)が制限されていますし、相手方が異議を出すと通常の訴訟手続きに移行しますので、注意が必要です。
③支払督促
相手がこちらの請求を争わない可能性が高い場合に利用すると効果的です。簡易に債務名義を取得できますし、裁判所に納める収入印紙も通常訴訟の場合の半額で済みます。ただし、相手方が異議を出すと通常の訴訟手続きに移行しますので、注意が必要です。
(3)主な強制執行の種類
不動産執行
・不動産を競売にかけ、売却金の中から回収する。
・不動産を競売にはかけないが、その不動産の賃料収入から回収する。
動産執行
債務者が所有する不動産の中にある、機械、備品、金品等を差押え・換価し、回収に充てる。
債権執行
債務者が持っている債権(主に債務者が取得する予定の金員)を差し押さえて回収する。
Ex.給与、貸金、売掛金、預金、敷金、還付金等。
(4)財産の調査方法
時間と費用をかけて債務名義を取得したとしても、相手方に財産がない場合は、「無い袖は振れない」ということから、回収できません。そのため、取引開始時点から回収できる財産を調査しておくことは欠かせません。
不動産
本店、営業所の所在地や代表取締役の住所地などの不動産登記事項証明書の取得。
不動産所有の有無・抵当権の設定状況(債権者・融資額・設定時期)・共同担保目録
預金
降り出された手形、小切手の支払場所。
会社に置いてあるカレンダーやメモ帳に銀行名が入っていないか。
※相手方が銀行から借入をしている場合、銀行が優先的に回収するため預金と債務を相殺しますので、注意が必要です。
5.不良債権にしないために

会社の場合、取引先の会社が危ないという噂がたつと、大勢の債権者が押しかけてくるということがあります。そうなってからでは、なかなか債権回収は難しくなってきます。売掛金等が不良債権になるのを未然に防ぎ、損害を最小限度に食い止めるためには、取引先の業界の景気の状況、取引先の商品についての基礎知識及び状況、取引先の業界の地位などを一通り把握しておくことが不可欠です。また社長、取締役といった会社の経営陣の動向に注意することも大切です。人事異動や取引先の変化、支払い方法が現金払いから手形払いに、必要もなさそうであるのに不動産の売買を行ったなどという事例は危険な状況だという兆候といえます。


売掛金回収が困難になるケースとしては、売買契約書、納品書、領収書など取引に関する書類がしっかりと管理されていない場合です。取引を裏付ける書類が完備していれば、万一、訴訟になった場合でも安心です。また、債権の裏づけとなる物的、人的担保が確保されていない場合も売掛金回収が困難になるケースです(継続的な取引の場合には、根抵当権や根保証は欠かせないものです)。十分な担保があれば、担保権を実行すればよく、債権回収は容易です。


ただ、取引の規模によっては担保を取ることは考えにくいです。また、飛び込みの営業においてはあまり面倒な手続きだと相手方に悪い印象を与えます。1番の目標は、売上を増やすということにあると思いますので、例え売掛金が多く残っている場合でも回収の見込みがあるならば取引を継続することが良い結果に繋がることも考えられます。

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