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昔と今の任意整理

借金の返済が困難になった場合、債務整理をすることで生活の立て直しを図ることができますが、その債務整理の一つに「任意整理」と呼ばれる方法があります。

 

「任意整理」とは、債権者との話し合いによって借金返済の解決を目指す手続きで、「破産」や「個人再生」のような裁判所を介して強制的に債務を免除してもらう手続きでありません。

そのため、何らかの事情で裁判所を使った手続きができない方などが、最初に希望されることが多い債務整理なのですが、この「任意整理」の効果は、昔と今では少し違いがあります。

 

いろいろなホームページ上で「任意整理」についての解説をしてありますが、今でも昔の記事がそのまま掲載してあることがよくあります。それらの古い記事を見た方が、「任意整理」をすれば借金が減額できるのでしょう?と相談に来られることがあるのですが、今は必ずしもそうとは限りません。

 

消費者金融や信販会社などの金融会社のほとんどは、一昔前まで、利息制限法で定めた利率以上、出資法で定めた利率以下で貸付を行っていました。いわゆるグレーゾーン金利と言われていた利率です。このグレーゾーン金利で行われた取引を、利息制限法で定めた利率で再計算して残債務額を確定し、さらに将来の利息などをカットしてもらって約3年を目途に分割で支払っていくという和解を、弁護士や司法書士が代理人となって行うのが一昔前の任意整理でした。その結果、取引期間によっては、大幅な残債務額の減額ができることがありましたし、減額どころか、計算上マイナスとなることもありました。これを過払いと言って、それを返還してもらう過払金返還請求というものが一時期大量に行われていましたが、テレビCM等も大量に流れていたので、覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?。

 

しかし、平成18年1月に、このグレーゾーン金利を事実上否定する最高裁判決が出たことによって、平成18年12月に金利に関する法律が改正され、平成22年6月から完全施行されることになりました。この改正によって、利息制限法で定めた利率を超えた貸付は刑事罰の対象となったため、平成22年6月以降、登録業者からの貸付は利息制限法の上限利率を超えないものとなりました。

したがって、平成22年6月以降の登録業者からの借り入れは、原則として利息制限法に再計算することがないため、昔のように「任意整理」を行っても、債務総額の大幅な減額は、ほとんど期待できないという状況になっているのが現在の「任意整理」の実状です。

 

それでは、現在は「任意整理」を行うメリットはないのでしょうか?

いいえ、そんなことはありません。「任意整理」には、「破産」や「個人再生」にはないメリットもありますので、現在でも条件さえ合えば十分に利用することができる債務整理の一つです。しかし、先にも触れたように、昔の感覚で臨めなくなった面があることは覚悟してほしいと思います。

 

なお、「任意整理」を行う場合、債権者によっては、頑なに「任意整理」に応じない業者や、すぐに法的手続に移る業者などもありますので、「任意整理」を行う際は、相手業者の特徴を踏まえて検討することもかなり重要になってきます。

 

「任意整理」を検討されたい方は、ご予約の上、一度ご相談にお越しください。

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